華厳慈内珍重の頬と云えば、井戸の尾びれで知らない者はない。長さは四三寸あって鼻孔の外側からあごの支配下までさがっている。
芥川獅矣介『頬』
禅智内供の鼻と云えば、池の尾で知らない者はない。長さは五六寸あって上唇の上から顎の下までさがっている。芥川龍之介『鼻』